自己啓発本の森を歩く〜カーネギーを超える本はあるのか??〜

同じような自己啓発本がなぜ多いのか?自己啓発本は何を教えてくれるのか?自己啓発本はなぜ売れるのか?なぜ自己啓発本の内容を実践できないのか?自己啓発本を読みながら考える

実践のお手本として〜池上彰『学び続ける力』〜

 

池上彰『学び続ける力』

今回は池上彰氏の『学び続ける力』です。

 

学び続ける力 (講談社現代新書)

学び続ける力 (講談社現代新書)

 

 

著者自身が「おわりに」で認めるとおり、本書は教養論ではありません。

 

「教養とは何だろう」ということを、大学生の頃からずっと考えてきました。

(中略)

読み終えた皆さんも感じておられるように、(本書は)教養論ではなく、勉強することの意味や、学び続けることの意味について考える本になりました(pp.183-184)(カッコ内筆者)

 

というか、むしろ池上氏のエッセイと言ったほうが近いかもしれない。

 

教養についての真髄を探ったり、その本質をえぐったりする本、というのは、私にはどうもそぐわないようです。できるだけ、自分がしてきたこと、学んできたことの延長で、背伸びをせずに、お話ししたつもりです(p.184)

 

したがって、池上氏が好きでもないかぎり、ふ〜ん、で終わる可能性は高いと思われます。

 

その意味では、もうすでに何冊もビジネス書や自己啓発本を読んできました、という人にはかなり物足りなくなるはずです。

 

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実践の人、池上彰 

では、本書から得られるものはないかといえばそうではありません。

 

本書から気づかされる点、すなわち、いいことは知ったとしても実践しないと意味がないということを再確認させられます。

 

本書を読めば、池上氏がいかに実践の人かがわかるでしょう。

 

一年間で1000時間のヒアリングマラソン(1日換算3時間)をやったり、記者時代の夜回りの時間に英語を勉強したり、手持ち無沙汰がいやで読書したり、出張の移動時間に本を読んだり、時間を無駄にせずに勉強をしている。

 

池上氏の本のいいところは、われわれはテレビやラジオを通して池上氏を知ることができるという点であり、それゆえ、賛否両論はあれど彼が解説者としてすごい人間であることを知っているという点ではないでしょうか。

 

偉大さを知っている人から言われたほうが納得できる

巷にはたくさんのビジネス書や自己啓発本があり、その多くには何らかのいいことが書いてあります。

とはいえ、その言葉に説得性を感じるには、同じことであっても、氏素性も知らない人よりは、すでにその人が優れていることを知っていて、この人に言われるのなら納得!と思えるほうがいいと思いませんか。少なくとも、私はそう。よく偉そうなこと書いてあるけど、で、お前は何者なの?と、この手の本を読んだときによく思います。こんなことを上から目線で言えるほど、お前はすごいやつなのかと(じゃあ、お前はどうなのだと逆質問されたらぐうの音も出ませんけどね)。

 

その点、池上氏であれば文句がある人は少ないでしょう。少なくとも私よりは素晴らしい人であり、努力を重ねてきたことは疑いない。

 

彼はわずかな空き時間も無駄にせずに本を読むし、ノートの取り方も工夫する。新聞もしっかり読む。

 

読書、記録の取り方の工夫、新聞の重要性、やり方にはいくつかのバリエーションがあり得るでしょうが、これらの行動を推奨するビジネス書や自己啓発本は数多いといえます。

 

しかし、実際にその教えを実践できている人はどれくらいいるでしょうか。

 

同じことをしたら池上氏のようになれるとは限りませんが、彼の実際の人物像を容易に知れるがゆえに、この本に書かれたことを実践したときの到達点のイメージが湧きやすいように思われるのです。すなわち、これくらいの努力をすれば、池上氏に近づけるというイメージが思い浮かべやすい。

 

たとえば、空き時間に本をとにかく読むというのはすぐに出来そう。ショーペンハウエルを引用して、本を単に読むだけではダメと釘は刺していますが(pp.146-150)、そうであれば、ブログというのは気軽に始められるアウトプットの場としてもとてもいいように思います。

 

アウトプットを意識すれば成果も高まるはず。

 

今日の池上氏の活躍ぶりを見れば、ここまで愚直にやり続けることが大事ってことがよくわかる。

 

社会人にはなかなか難しかろうし、池上氏が実践していることの全てが本書に網羅されているわけでもないでしょうが、本書に書かれていることを実践すれば池上氏くらいに、さらに負荷をかければもっとすごい人になれるかもしれないというモチベーションが湧くのではないでしょうか。

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